TQM(総合品質管理)を指導する先生が品質保証を論じても、商業簿記・工業簿記とTQMとの紐づけの論点が無ければ、それにはどの様な意味があるのだろう?

TQMでは様々な説が対立する「品質保証」ですが、説の対立がある主観であれ・客観であれ、総合品質管理の先生は、工業簿記と総合品質管理との紐づけの論点を組み込んだ、個別原価計算、部門別原価計算、総合原価計算などの指導が行われていると思います。差異分析にもTQM(総合品質管理)から見た論点があるのでしょう。同じく、商業簿記と総合品質管理との紐づけの論点も研鑽され、客観的な見識をお持ちであっていただきたい。

総務、財務・経理の部門では、なぜなぜ分析と称して「なぜ、なぜ」と5回繰り返しても答えは出ませんが、要件の該当性の確認は行います。総務、財務・経理の範囲を超えて、法務に答えが有る事もあります。会社の間接部門が持つブレインチェーンも気にかけてもらえたら幸いです。

■  TQM(総合品質管理)の品質保証は、会計の勘定科目にも根拠があります。但し、「商品(製品)保証引当金」で設定する金額の根拠は、直接部門の客観的データ無しに、仕訳だけでは決められません。

品質保証契約に基づく将来の一定期間内の無料修理への備えとして、間接部門では、「商品(製品)保証引当金」「商品(製品)保証引当金繰入」「貯蔵品」(「貯蔵品」は、部品購入時には借方、修理時には借方)など、決算手続で仕訳を行います。

直接部門が用いる、商品、製品の品質保証の概念に対して、他方で、会社の間接部門では会計の勘定科目を用いて、

1、B/Sの「負債」の部の勘定科目、① 商品保証引当金(商品の保証のために備えてある引当金)、② 製品保証引当金(製品の保証のために備えてある引当金)

2、P/Lの「収益」の部の勘定科目、① 商品保証引当金戻入(予定していた保証がなされず、保証への備えを取り消すもの)

3、P/Lの「費用」の部の勘定科目、① 商品保証費(商品の保証のための修理などの金銭)、② 商品保証引当金繰入(商品の保証への備えを用意する分)、③ 製品保証引当金繰入(製品の保証への備えを用意する分)

などを用いて、会計期間毎に管理します(日商簿記2級レベル)。

品質保証契約に基づく「商品(製品)保証引当金」「商品(製品)保証引当金繰入」を決算手続で計上するのは、商品、製品を「販売」した会計期間における負債の増加、費用の増加として見ています。次期になって実際に「商品(製品)保証引当金」(負債)を取り崩した場合は、あくまでも前期の決算手続において設定した「商品(製品)保証引当金」であり、前期に売上げた商品(製品)を対象とします。

「商品(製品)保証引当金」を設定していない当期の販売分には、「補修費」又は「商品(製品)補償費」(共に販管費)を用います。

品質保証契約に基づく将来の一定期間内の無償修理に備えるには、「貯蔵品」の計上も行われます(「貯蔵品」は、部品購入時には借方、修理時には借方)。⇒  品質保証契約に基づく無償修理に備えるためには、直接部門の客観的なデータ無しに、仕訳だけでは決められません。購買には消費税の支払いもかかっており、それは販管費にも表れます。

他方で、貯蔵品の多額の廃棄損に対するリスク回避からは、貯蔵品とした部品の仕様変更にかかる情報収集を、どのような時期に・どのような影響が起こり得るか・どのような方法で知り得るか、それをどの部署と情報共有するか。上申を要する場合は、いつまでに、どの部署が行うか。

 

余談ですが、建具の部品である建築用ガラスには財務省令に基づく耐用年数・償却率の規定が無く、その根拠は財務省令を読んでも分からず、物理関係を読んでも全く理解できずにいましたが、ある日、偶然にも目に入った奈良の正倉院のガラス器に関する文献からヒントを得ることができました。ガラスは土の中に1,500年くらい埋めておくと、ガラスの成分が土の成分と反応して、ガラスの成分が少しづつ土に溶けていくとの記載がありました。土の中に1,500年埋まっていても形が存在するガラスって、すごいなぁ。