建具(ガラス窓、ドア 等)の資産区分、法定耐用年数及び償却率について

建物の開口部に建て込まれる建具は「資産」です。建物使用の用途及び建具の素材・仕様が違えば法定耐用年数及び償却率等の適用は変わります。お客様の資産をご提案・代金を請求した建築士・販売会社は、① 減価償却資産として、② 固定資産として、2つの資産の「根拠」を説明しましたか? 所有者様の資産を扱う建築士・販売会社には経理・法務の部署があり国が定める資産の根拠を社内で共有するため、相手方ご担当者様に確認下さい。

資産は貸借対照表に「固定資産」として計上されるのに 総務省;固定資産評価基準 を読まない人は、建物の開口部に建て込まれる建具を、根拠も無く有形減価償却資産;建物附属設備、法定耐用年数を樹脂製建具10年、金属製建具18年、木製建具10年と短く見せかけ、償却限度額を過大計上し、税の過少申告の手段とするのでしょう。しかし「固定資産」として総務省;固定資産評価基準の「建具」と「建築設備」は別区分、「有形減価償却資産」として国の法令解釈や政策では断熱材や建具を有形減価償却資産「建物」と明示し、建物附属設備とするのを定する。国税庁法令解釈通達2-2-5等にある「建物」と 財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令  別表第一  有形減価償却資産「建物」であり、建具の素材でも使われる「合成樹脂造、木造、金属造」として建物使用の用途別に法定耐用年数が規定される。前記の他、① 構造部材を定めた 法務省;不動産登記規則  第114条に「合成樹脂造」は無い、②  国税庁;土地・建物の譲渡所得申告 に「合成樹脂造」の構造は無い事からも 財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令  別表第一  有形減価償却資産「建物」の意味を理解できます。一方、無機ガラスに法定耐用年数の規定や物理的耐用年数の目安が無いは「無機ガラス自体は錆びない・腐らない、太陽の可視光線や紫外線に曝されても朽ちない」等、特有の性質が考えられます。

建物の部位の更新又は改良では取り外した古い建具(ドア、窓、シャッター 等)の固定資産税に対する取扱い(二重課税の回避)及び資本的支出と修繕費の形式基準の判定のあり方は、お客様を担当した建築士・販売会社に概要確認のうえ、固定資産除却損の使い方等、① 減価償却資産としては税務署へ、② 固定資産としては自治体へご相談下さい。  自動ドア(ドアと自動開閉設備は別区分)、排煙窓(窓と排煙オペレーターは別区分)、電動シャッター(シャッターと電動開閉設備は別区分)等の更新又は改良では、所有者様がお受取になられた請求書は有形減価償却資産「建物」に該当する資産と「建物附属設備」に該当する資産は区別されていますか?  複数の工事にあたり資本的支出に該当する資産の取得と修繕費を区別無く一式工事と記載されていませんか?

監査に耐え得る資産計上の正当性には財務省令をご確認下さい。国税庁は財務省の外局  ⇒ 法定耐用年数及び償却率等の規定は財務省の所管であり、国土交通省も法定耐用年数は財務省令(昭和26年大蔵省主税局)を引用する。裁判例でも「一体不可分」を理由に「建具」は有形減価償却資産「建物」と判断されているようです。

下)出典;経済産業省  H28年生産性向上設備投資促進税制  要項抜粋  ※ 建物;断熱材、断熱窓  

「建物」「建物附属設備」「器具備品」等、用語から財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令にお気付きと思われます。H28年  経済産業省・国税庁;生産性向上設備投資促進税制 は確定申告の減価償却手続において、普通償却限度額に特別償却限度額を加算できる税制度であり、国税庁も関係している。

下)出典;国税庁法令解釈通達  建物附属設備2-2-5

      当該「別表第一」とは?財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令  別表第一 国税庁;法令解釈通達  建物附属設備2-2-5の「ドアは建物に含まれる」を建具自体の資産性は無いと受け取る方は、失礼ながら 総務省;固定資産評価基準  部分別区分「(8)建具」「(9)建築設備」の規定を無視する人なのでしょう。国税庁は財務省の外局だから財務省の用語を使うのであり、総務省の用語を使えば「建物の開口部に建て込まれる建具は壁体骨組・構造躯体ではない」 ⇒  当該国税庁通達によって自動ドア、排煙窓、電動シャッター等「建具」と「装置」から成るものは「建物 建物附属設備」の区別無い一括りにした資産性と法定耐用年数を定する。

      固定資産及び減価償却資産として「ドア」と「自動開閉設備」は別区分、「窓」と「排煙オペレーター」は別区分、「シャッター」と「電動開閉設備」は別区分、それだけのこと。当該国税庁通達の「建物」財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令  別表第一  有形減価償却資産「建物」であり、決算報告書の貸借対照表;有形固定資産「建物」。財務省令の減価償却資産の償却額計算を経て貸借対照表及び損益計算書に反映される。

      国税庁は財務省の外局だから当該法令解釈通達は 財務省;減価償却資産の耐用年数等に関する省令  別表第一 に従って読むため、「建具」と「装置」から成るものは有形減価償却資産「建物」と「建物附属設備」の各々の法定耐用年数及び償却率・保証率等が求められると理解できます。

      • 「装置」という用語を使いましたが、それが器具備品と解釈されないのは、器具備品とは単体で機能を果たせるものと定義されている。「固定資産(建物)に対する償却資産(器具備品)の附合は生じない」
      •  当該国税庁通達の「ドアは建物に含まれる」は、建物の構造部材が重量鉄骨や鉄筋コンクリートであっても、その建物の開口部に建て込まれる建具の素材は重量鉄骨や鉄筋コンクリートでないですよ。それだと木造構造とSRC構造において共に同程度の建具を使っても、その建具の法定耐用年数に2倍以上の年数差を生じさせる根拠が無い(・効用持続年数の原則  ・例外;国税庁 No,5404)。それにも増して、クレーン車がないと玄関ドアも開けられないし、トイレにも入れないね。
      •  総務省;固定資産評価基準  部分別区分 は「建具」と「建築設備」は区分とする。※ 建物に関する総務省;固定資産評価基準  部分別区分 /・「(8)建具」 ;窓、出入口等の建物の開口部に建て込まれる襖、障子、扉、サッシ、シャッター、出入口戸及び枠等をいう。・「(9)建築設備」電気設備、ガス設備、給水設備、排水設備、衛生設備等、家屋に付随して家屋の機能を発揮するための設備をいう。

       

      住宅性能において外部建具「窓」に最も高い断熱性能(熱還流率 U値(W/㎡・K))を得られる・求められるのは、樹脂製建具又は木製建具にLow-E 複層ガラスを組み合わせたもの。⇒  参照;「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく住宅性能表示制度 5「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」「5-1  断熱等性能等級;等級4」「5-2  エネルギー消費量;地域区分」、H28年省エネ基準の外皮性能に関する文献をお読み下さい。

      ドアー自動開閉機に直結するドアーは建物に含まれる。有形減価償却資産

      国土交通省;断熱性に配慮した防火窓の仕様について、木製サッシ・樹脂製サッシに関する一般仕様を告示化

      資本的支出と修繕費との違いを区別する判断基準 国税庁 No.5402

      少額の減価償却資産の判定例示 国税庁No.5403

      中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例 国税庁 No.5408

      ガラスの重量及びガラスにかかる荷重を支える窓枠には、樹脂サッシ、アルミサッシ、ステンレスサッシ、木製サッシ 等があります(「Low-E樹脂サッシ」「複層(ペア、トリプル)ガラス」「二重サッシ(内窓)」「ガラス壁」「樹脂アルミ複合サッシ」「雨戸」「網戸」「排煙窓・排煙オペレーター」等、財務省令は個別名称による法定耐用年数の規定無し)。ドアにも、金属製、木製、樹脂製(内部建具)があります。「ガラスドア」「自動回転ドア」「防火戸」等、財務省令は個別名称による法定耐用年数の規定無し。

      大西 啓貴