令和3年4月19日、国土交通省、経済産業省、環境省による建物の脱炭素化に関する政府検討会において、新築小規模住宅(300㎡未満)への省エネ基準適合義務付けの議論が始まりました。現在の省エネ基準規制では小規模(300㎡未満)の新築建物への適合は努力義務(建築主への説明義務有り)に留まる。

高気密・高断熱の戸建のメリットは建物に使われる断熱材の量が多い分、比喩的には断熱材が一度掴んだ熱を離し難くして、それにより建物の内部と外部での熱の移動をブロックしようと作用するため、それがメリット及びデメリットの双方に及ぶ。戸建で使われる断熱材の量を更に増加させれば善しとするだけでは、夏の季節は太陽の日射で断熱材が溜め込んだ熱が建物の内部に滞留したまま深夜になっても室温が下がらない、人間の健康リスクを冒す建物になってしまう。エアコンを設置しない新築建物もありますから。あと、意外にも高気密・高断熱の戸建は春や秋の季節の外気温度20℃前後の日でも、建物内部の一階部分はヒンヤリし、暖房の稼働が欲しくなります。

 

高気密・高断熱の戸建のメリットは建物に使われる断熱材の作用の量が多い分、比喩的には断熱材が一度掴んだ熱を離し難くして、それにより建物の内部と外部での熱の移動をブロックしようと作用する。

そのため、夏の季節は明け方 ~午前中は室内の涼しさを一定程度体感できるため冷房の稼働も低減できるが、一方で夏のデメリットとして太陽の日射を受けて熱を溜め込んだ断熱材が、正午辺りには既に熱を溜め込む能力をオーバーし、その熱が建物の内部に滞留するため、結果として正午 ~ 日没 ~ 午前0時の辺りは室温が下がり難い。また、日中、建物の屋根は方角に関係なく太陽の日射を受け続けているため、その建物の最上階の部屋は特に熱いです。

夏には「窓を開けて風通しを良くして下さい」と注意喚起されますが、高気密・高断熱で使われる断熱材が溜め込んだ太陽の日射による熱は、窓を開けて風通しをしただけでは簡単には下がらない。結果として冷房の稼働が無ければ、深夜、睡眠中に熱中症にかかるリスクは高くなる。私も経験者の一人です。当該建物にエアコンの設置が無い事によって、睡眠中に身体が焼けるような熱さで目を覚ましたが、もがいたまま気絶していました。

一方、冬の季節のメリットは暖房の使用頻度を削減できるほか、暖房によって暖められた室内温度は、就寝前に暖房をオフにした後、翌朝になっても温度低下が少ない事が挙げられます。

※ 参考事例;21時頃の室温は20℃前後(外気温度はマイナス8℃)に対して、就寝前の21時ごろに暖房をオフにした後、翌朝5時頃の室温は13℃前後(外気温度はマイナス15℃)

⇒  同じ条件において、高気密・高断熱ではない建物では、翌朝5時頃の室温は3℃前後(外気温度はマイナス15℃)にまで室温は低下していました。

この恩恵は大きく、冬の寒さに対する身体の負担も減ります。但し、高気密・高断熱の戸建ては玄関ドア自体の低放射性能にも気を配らないと、部屋と玄関前の廊下との温度差は大きくなります。

冬の季節のデメリットの一つに、建物のヒートショックの危険が無くなった訳ではないのに、建築士・販売会社から施主・買主に対する説明の相違があります。

※ 建物の基本仕様が床下暖房の場合であっても、施主の判断によりエアコンを設置しないと、冬にはこの噴出し口からヒンヤリした冷気が室内に伝わって来ます。「熱は高い方から低い方へ移動する性質がある」と言われますが、建物の内部ではその物理の法則とは逆の体感をする事も多いです。不思議ですね。